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心理カウンセラーを夢見る彼は今日もコンビニでアルバイトをする

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心理カウンセラーを夢見る彼は今日もコンビニでレジ打ちをしている。
いや、単なるレジ打ちだけではなく、商品の仕入れから検品までできるお店になくてはならない存在なのだ。
毎日毎日生活をするためにお菓子やらお弁当やらをエロ本やらを買いに来るお客にピッピピッピバーコードを読み込んでいるのである。
そう、彼こそがいつかは心理カウンセラーとなり悩んでいる人を名探偵コナンばりの洞察力をもって解決に導くことで多くの人に喜んでもらえることを夢見ている私の弟君なのである。

もともと裕福ではない家庭で育った彼は私立の大学に莫大な入学金と授業料を叩き込み、心理学部を卒業したのち、晴れてコンビニエンスストアでアルバイトをすることになったのである。
裕福でない家庭で育ったにも関わらず金銭感覚が欠如してしまっている彼は学費は全て奨学金でまかない、未来の自分に借金を返済させるという選択肢を選んだため卒業と同時に莫大な借金を背負い込んでしまっている。
そんな彼の夢はもちろん、心屋仁之助さんなみの超有名な心理カウンセラーとなりたくさんの人の悩みを解決することである。

心理カウンセラー以外の仕事に就くなどあり得ないので大学の学生課からのアドバイスもむなしく就職活動すらも敵前逃亡してのけたのである。
心理カウンセラーになる大義名分を持っているため、就職活動に一生懸命になっている周りの同級生など眼中になかったのだ。

彼はいつも壮大な夢を聞かせてくれる。
「今は子供たちも心が病んでしまっている。そんな子供たちの悩みを解決して夢を見ることの大切さを教えてあげたい」
コンビニにお菓子を買いに来た子供たちくらいしか接点がないくせに、彼は児童心理学にも興味をもつ。
「彼女とスイスに行って壮大な景色を見ながら心理学の勉強をしてみたい」
スイスと心理学がどう結びつくのか意味不明だが、最近彼女に愛想をつかされて三下り半を突き付けられたらしい。
それでも彼はスイスに行く夢を未練たらしく持ち続けている。
スイスに行くためにいったいどれくらいの費用が必要なのかを現実的に計算しようとしない彼の貯蓄額は限りなくゼロに近いそうだ。

そんな彼に会うたびに聞くことがある。
「心理カウンセラーの勉強がんばってる?」
返ってくる答えは極めてシンプルだ。
「今心理カウンセラーになるために人生経験を積んでるところ」
そう、彼にとってはコンビニで人生経験を積むことが心理カウンセラーとなる糧となると思い日々アルバイトに精を出しているのである。

もちろん、コンビニで経験したことが心理カウンセラーとして役に立たないなどとは毛頭言うつもりもない。
しかしながら、本気で心理カウンセラーになりたいと願っているのであれば明らかにやるべきことの優先順位をはき違えてしまっているように見えて仕方がないのである。
きっとロックバンドでメジャーデビューを目指す子供を持つ親の気持ちも似たようなものかと類推して悲哀な気持ちになってしまう。

もしも、本気で目標を達成しようとするならば今の延長線上に狙っている結果があるのかを自問自答することは不可欠といえる。
私もこの逆算思考を身につけることができて初めて狙った結果を達成する精度が高まったように思う。

いつかは富士山の頂上を目指したいと思いつつ奈良県の若草山をうろちょろしているようではいつまでたっても目指す富士山には辿り着くことはできないのである。
富士山の頂上を目指すのであれば、たどるべきルート、必要な道具、登頂者経験談の情報収集など自分のすべての行動が富士山登頂に紐づいていなければならないはずである。

心理カウンセラーになりたいのであれば、一日一日の一挙手一投足が心理カウンセラーになるべき行動にすべて紐づいていなければならないはずである。
コンビニのアルバイトは生活の糧を得るための手段としては必要かもしれないが、行動の一つ一つが目標にリンクしていなければ目標など簡単には達成できるはずないのだ。

自分の一挙手一投足が目標に紐づいているかを自問自答することができれば、目標と相対的に関係ない行動などとっている時間など毛頭ないはずである。

ある日、私は勇気を振り絞り弟に聞いてみることにした。
「あのさぁ、コンビニのアルバイト毎日やってて心理カウンセラーになれんの?」
弟の答えは極めてシンプルである
「そんなことわからん」

こうして第四次反抗期を迎えてしまっている弟からはいつ心理カウンセラーの片鱗が芽生え始めるかの回答はいつまでたっても得ることができないでいる。
子育てというとおこがましいが、弟育てをどうやら失敗してしまったのかもしれない。
もしかするとロト6の10億円に当たるかのごとく奇跡的に心理カウンセラーになれるかもしれないが今のところその可能性は極めて低いといえる。

こうして心理カウンセラーを夢見る弟君は今日もコンビニでレジ打ちをしている。
彼の将来を案じる親族一同は第四次反抗期を終えて彼が然るべき結果を出すための行動をとることを今日も固唾をのんで見守っているのである。



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